高圧電力の負荷率とは?計算式や電気代を下げる方法をわかりやすく解説
「負荷率」は、電気が効率的に使えているか、使用状況を把握することができる指標です。
そのため、電気代の見直しを検討するときに役立ちます。
この記事では、電力の負荷率の計算式や計算例、負荷率を下げてコストを見直す方法について解説します。
目次
負荷率とは
負荷率(読み:ふかりつ)とは、毎月使用できる電力の上限のうち、どのくらい使用したかを表す、「電気の使用割合」のことです。
一定期間において電気を効率的に使用しているかどうかを把握するときに使える指標です。
使用割合を調べる対象期間によって、時間負荷率・日負荷率・月負荷率・年負荷率などと呼ばれます。
なお、高圧電力の負荷率を計算するときは「年負荷率」を使用します。
負荷率の計算式
負荷率は、一定期間における平均電力(kWh)と契約電力(kW)の値を使って計算されます。計算方法は以下のとおりです。
負荷率(%)=【 平均電力(kWh) / 契約電力(kW) 】×100 |
1年の負荷率(年負荷率)は、以下の計算式で求めることができます。
年負荷率(%)=【 過去12ヶ月の使用電力量の合計(kWh) ÷ (365日× 24時間) 】÷【契約電力 (kW)】×100
1年間の使用電力量(kWh)を1時間の平均電力に割り戻して、契約電力に占める使用割合を計算することにより計算します。
計算式を参考に、電気料金の明細書を見ながら計算してみましょう。
オフィスビルの年負荷率の計算式の例
契約電力が55kW、 過去12ヶ月の年間使用電力量の合計が80,000kWhの場合の計算式は以下です。
【 80,000 ÷( 365 × 24 )】÷ 55 × 100 = 16.6% |
※計算式「365 × 24」の数値は8,760です。
上記条件だと、年負荷率は16.6%となります。
工場の年負荷率の計算式の例
契約電力が300kW、 過去12ヶ月の年間使用電力量の合計が750,000kWhの場合の計算式は以下です。
【 750,000 ÷( 365 × 24 )】÷ 300 × 100 = 28.54% |
年負荷率は28.54%となります。
負荷率を計算することで電気を有効に使用できているかを把握することができます。
電気の負荷率が高い施設の特徴
多くの電気を長時間継続して使用している施設は、負荷率が高いです。
身近な施設では、入院患者のいる総合病院、24時間営業のスーパー、終日営業のフィットネスジム、冷蔵冷凍施設がある食品工場、深夜営業も行っている娯楽施設、遊技場(パチンコ店)などが挙げられます。
負荷率が高い施設の使用状況をグラフに表すと以下となります。
常に設備が稼働しており消費電力の変動が少ないため、高低差が少なくなだらかな形になります。
なお、負荷率が高い施設ほど電気を効率的に使用できており、電気代が割安になります。
なぜ負荷率が高いと割安になるのかについては後述します。
電気の負荷率が低い施設の特徴
電気の使用量が大幅に下がる時間帯や期間が多い施設は、負荷率が低い傾向にあります。
また、1日の中で、昼夜の電気使用量の差が大きかったり、1年の中で月や季節ごとの差が大きいと負荷率は低くなる傾向にあります。
例えば、オフィスビルや日中(9~17時)稼働の工場、公共施設、地方自治体、立体駐車場などは日中と夜間で電気使用量の差が大きい傾向にあります。
夏休みや冬休みなど長期休日のある学校や、冬しか営業しないスキー場、夏しか開放されないプールも季節によって使用量に差が生まれやすいです。
負荷率が低い施設の使用状況をグラフに表すと以下となります。
負荷率が低い施設では、電気料金は割高になります。
その理由については次をご覧ください。
負荷率が低いと電気料金が割高になる理由
負荷率が低いと電気代が割高になる理由は、電気料金全体に占める基本料金の割合が高くなり、無駄に電気代を支払う必要があるからです。
東京電力の高圧電力A(2024年4月1日以降新規加入)の料金プランを参考に、負荷率が30%と15%の場合で電気料金単価を比較すると、以下のように負荷率が30%のほうが電力料金単価が安くなります。
負荷率 | 電気料金単価 |
30% | 27.01円 |
15% | 36.09円 |
電気をお得に利用するには、契約電力に対する使用量の割合を高めることが重要なのです。
なお、上の計算はいずれも契約電力を100kW、基本料金単価を1,989円00銭、電力量料金単価を17円93銭(その他季の単価を通年として計算)としています。
また、分かりやすくするために燃料費調整額と再エネ賦課金はないものとし、基本料金と電力量料金のみで計算しています。通常はすべて含めて計算するため注意しましょう。
計算式の詳細は以下のとおりです。
負荷率30%の単価計算方法
まずは年間の基本料金を計算します。
基本料金は「基本料金単価(円) ×契約電力(kW) × 力率割引(%)」で計算します。
年間の基本料金は2,386,800円(1,989円00銭×100(kW)×12ヵ月)です。
なお、力率割引は85%としています。
つづいて、年間の電力量料金を「料金単価×年間使用量」で計算すると、4,712,004円(17円93銭×262,800kWh)となります。
さいごに【(基本料金+電力量料金)÷年間使用量】を計算すると、上表の単価27.01円になります。
計算式は【(2,386,800円+4,712,004円)÷262,800kWh】です。
負荷率15%の単価計算方法
年間の基本料金は2,386,800円(1,989円00銭×100(kW)×12ヵ月)、年間の電力量料金は2,356,002円(17円93銭×131,400kWh)です。
電気料金単価36.09円は【(2,386,800円+2,356,002円)÷131,400kWh】で計算できます。
負荷率が低いと電気代が割高になることがお分かりいただけたと思います。
つづいては、基本料金を下げて負荷率を高くする方法についてご紹介します。
基本料金を下げて負荷率を高くする方法
負荷率を高くして電気をお得に使用するには、料金プランを見直して基本料金単価を下げる方法がおすすめです。
高圧電力の基本料金は、以下の計算式で成り立っています。
【高圧電力の基本料金の計算式】
基本料金=基本料金単価(円)×契約電力(kW)×力率(%) |
負荷率を高くするには「基本料金単価を下げる」「契約電力を下げる」という2つの方法があります。
そのうち、電力会社を乗り換えて基本料金単価を下げる方法は、コストをかけずに実施できます。
2016年に電力の小売前面自由化となり、現在では700社以上の電力会社から料金プランを選択できるようになりました。
例えば、東京電力の高圧電力A(2024年4月1日以降契約分)の基本料金単価は「1,989円00銭」ですが、電力会社の中には「653円87銭」で提供している契約メニューもあります。
この場合、基本料金単価の削減率は▲67.1%となります。
なお、仮に契約電力が200kW、力率85%の場合、東京電力は397,8000円/月に対して、新電力だと130,774円/月となり、毎月267,026円の基本料金を削減することが可能です。年間にすると3,204,312円の削減になります。
電力会社の見直しによる料金プランの変更は無料でおこなえます。まずはお金をかけずに見直せるところから着手してみてはいかがでしょうか。
電力アドバイザーズは最適な電力会社を見つけるお手伝いをしています
電力アドバイザーズは、電力会社との契約を見直して電気代削減を支援する、エネルギーコンサルティングをおこなっています。
2024年度に電力アドバイザーズが手がけた切替件数は約900件(2024年4~9月)。
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北海道から九州まで、工場やオフィスビル・倉庫・医療施設・ホテル・店舗など様々な業種の企業様の電気代を削減してきました。
電力アドバイザーズのサービスの特長は以下の3点です。
- 提携先の電力会社に一括で見積もりを取得
- 電力のプロが電力会社と単価交渉~契約手続きまで全面サポート
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それぞれの内容を説明します。
1. 提携電力会社に一括で見積もりを取得
2024年時点で電力会社は700社以上存在します。
当社は以下3つの基準により厳選した30社から最適な電力プランを紹介することが可能です。
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社会インフラである電気の供給元を選ぶにあたり、母体企業の信頼性や財務力の面で安心感のある会社をご紹介します。
2. 電力のプロが電力会社と単価交渉~契約手続きまで全面サポート
より良い条件の見積もりを引き出すためには、専門的な知見が必要です。
料金プランについて熟知した当社コンサルタントが電力会社と単価交渉をおこない、有利な条件での契約を徹底サポートします。
◎各社見積書の条件を一覧表にまとめます
電力会社のプランは年々複雑化しています。
その上、見積書はフォーマットや前提条件が各社で異なるため、どの料金プランが最適かを見極めるのも困難です。
実際、複数社から取り寄せた見積書に記載されている「削減見込額」の大きさだけで電力会社を選び、失敗している法人様も少なくありません。前提を同じ条件に整えないと、比較が不十分だからです。
当社に依頼いただくと、電力に詳しくない方でも簡単に比較検討できる、各社料金プランの条件を整理した「条件比較一覧表」を作成してお渡しします。
そのうえで各プランの特徴を丁寧に説明し、不安や懸念点を解消します。
ちなみに、当社に一括見積もりを依頼されたとしても、切替のお約束はありませんのでご安心ください。
「電力会社の見積もりを見てみたい」「今後の参考にしたい」というお話でもしっかりサポートしますので、お気軽にご活用ください。
◎一括見積もりを依頼するメリット
自社対応される場合と当社に依頼いただく際の比較表を以下に記載しました。
各電力会社と直接やり取りするのは非常に大変です。
担当者の方が本業に集中できるよう、電力会社との面倒なやり取り、見積書の収集や契約条件の整理、料金プランに関する知識説明まで全てのフローで全面サポートします。
なお、当社を飛び越えて電力会社から直接連絡が入ることはありませんのでご安心ください。
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当社は電力会社の選定~契約手続き完了までの全てのサービスを無料で提供しています。1円もかかりません。
もちろん、アフターフォローも万全です。
◎有益情報を適宜お届け
電力市場を取り巻く環境は日々変化しています。
そのため、電力プランも適宜見直す必要があります。
電力アドバイザーズは電力会社の見直しに限らず、市場の変化が起きた時に有益情報を提供し、企業の電力パートナーとして継続的に伴走しています。
一括見積もりを依頼するために必要なものは?
一括見積もりを依頼するために必要な資料は以下の2点です。
- 12ヵ月分の電気料金の明細書
- 30分値データ
◎電気料金の明細書について
電気料金の明細書については、原則として直近12ヵ月分のものをご準備ください。
明細が手元になく、すぐに用意できない場合は準備可能な分で試算するため、お気軽にお問い合わせください。
◎30分値データについて
30分値データとは、30分単位の電気使用量を確認できる資料です。
精緻に試算することができるため、ご準備いただくことをおすすめします。
30分値データは電力会社によってマイページからダウンロードできたり、電話で直接問い合わせをする必要がありますが、取得方法が分からない場合はまずは当社にご相談ください。
もちろん、30分値データがなくても一括見積もりは可能です。
お気軽にお問い合わせください
電気料金見直しのご相談は「電力アドバイザーズのお問い合わせページ」または下記バナーからすぐに完了できます。
見積もり依頼を希望される方はぜひお申し込みを。
電気代見直しに関するご相談や不明点などにも対応可能なのでお気軽にご連絡ください。
お待ちしております。